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【考察】web業界への就職 その4:ポートフォリオ

web業界への就職シリーズとして記事を書いていますが、
今回のテーマである「ポートフォリオ」が一番大事かつ一番やっかいかもしれません。

どんな職業でも企業の採用面接には履歴書(場合によっては職務経歴書)が必要です。
デザイン・制作会社に入社する際も履歴書は必要なのですが、それに追加して「ポートフォリオ」というものが求められます。

そもそもポートフォリオってなに?

ポートフォリオというのは応募者の「作品」を整理したものです。
この人の作品はこういった雰囲気なんだね、こういった特徴があるんだね、というのがわかります。

つまり見方を変えると、履歴書に「webサイト作れます」と書いてあったとして
本当に作れるの? どんなものを作れるの?
ということを証明するものですね。

さてこのポートフォリオについての話、少し深掘りしてみましょう。

webが登場する以前、グラフィックデザイナー採用の場合

大小さまざまな作品を1冊に整理してみせる

特にグラフィック系となると、名刺からポスター、あるいは看板など、大きさも多種多様。
面接時に見てもらえるようにそれらの現物を持ち込むとかさばってしまって大変。そもそも看板とかバスのラッピングとか持って来れないし…。
そうなると、作品を撮影して1冊の冊子にまとめたほうが良いよね、となります。
これが従来の物理ポートフォリオです。

webデザイナー、web制作採用の場合

自分の作品一覧とその解説をしているページで構成された「ポートフォリオサイト」があるとベスト

webサイトはデータですから、物理的にかさばることはありませんので、冊子にまとめる必要性がなくなってきます。
その代わり作品を紹介するwebサイト、ポートフォリオサイトがあると良いです。
ネット上にある「ポートフォリオ作成サービス」でもOKです。
昨今は採用の応募時にポートフォリオも送ってくれという企業がほとんどじゃないでしょうか。
その際にポートフォリオサイトのアドレスをお伝えしたり、公開されている自分の作品のアドレスを伝える事になると思います。

「ポートフォリオが必要」は正しいけれど…

就職活動をする際、面接に望む際に、ポートフォリオが必要というところまでは間違いありません。当塾でもポートフォリオ制作の指導は行います。
ただし、ポートフォリオの目的は作品を見る事なので、作品がないのにポートフォリオを作るというのは本末転倒です。
作品さえあれば、そのアドレスを企業に見せればなんとかなります。ポートフォリオはあるけど中身スカスカではむしろ逆効果です。
ポートフォリオはなんとかなりますので後回しでも良いです。ぜひ、ポートフォリオに掲載できる作品を完成させることに全力をそそいでください。

1歩踏み込んで、本音を書いてみる

あくまで講師の経験(デザイナーとして、面接官として、雇用主として)からくる個人的な意見だというのを先にお伝えしたうえで、以下が本音。

人を採用する際に

  • ポートフォリオおよび掲載作品のクオリティが高いから合格にすることはない
  • ポートフォリオおよび掲載作品のクオリティが低いから不合格にすることはある

たぶんみなさんが想像しているより、ポートフォリオに求めるレベルは高くないです。不合格にするのは本当に全く学習・練習してきてないレベルを振るい落としたいため。「htmlとかよくわかんないんですけど、デザインとかwebとかに憧れがあって…」みたいな人を断るための決まり文句みたいなものです。実際、筆者が会社員だったときに面接官やったのですが、そういった応募者がいましたのでね…未経験OKってそういう意味じゃねーわと(汗)

そして

  • 企業側として、人を採用する際に求めるポートフォリオ(作品)と、仕事を依頼するときに求めるポートフォリオ(作品)は違う

というのも大事なポイントです。
この辺をゴチャゴチャにして紹介している情報がなんと多いことか。

筆者でもある講師はあちこちの学校で授業やってきましたが、まともな就職指導をしているところはほぼ皆無と言って良いくらいでした。
特に採用のポートフォリオと案件獲得のポートフォリオの区別がつかない就職指導をいくつみてきたことか。

なぜ講師が見てきた学校はまともな就職指導ができないのか?
採用する側の企業はどういった基準で人を採用するのか?
そういったお話は次回掲載予定です。